#総合診療
#書評:『症候別“見逃してはならない疾患”の除外ポイント—The 診断エラー学』
小泉 俊三
1
1東光会 七条診療所
pp.1284
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201140
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近年、改めて「診断学」への関心が高まっている。解説書の多くは臨床疫学やEBMを背景に合理的推論を推奨しているが、著名な臨床教育家の手によるパール集の人気も高い。
本書の基となったのは本誌(旧『JIM』)の特集である。数ある“実践的”診断学書のなかでも、“見逃し”に焦点を当てている点に特に注目したい。本書の各項は、「見逃してはならない疾患のリスト」に始まり、各疾患の「除外ポイント」へと続く。なかでもユニークなのは、「見逃すとどの程度危険か?」の一項である。診察を始める前にこの項に目を通すことによって、読者のみなさんは身が引き締まる思いをされるに違いない。指導医としては、各診察室に本書を1冊ずつ常備し、研修医が患者の診療を終了する前に、症状ごとに記載されているこの項に必ず目を通すことをルールとするのも一案であろう。
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