書評
—徳田安春 編—症候別“見逃してはならない疾患”の除外ポイント—The診断エラー学
松村 理司
1
1医療法人社団洛和会
pp.1939
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224455
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医師が診断に難渋するのには,いろいろな訳がある.診断に占める病歴の価値は,昔と比べてまったく低下していないが,医師は一般に聞き上手ではない.問診・病歴聴取・医療面接への経済的誘導はなく,傾聴や共感に関する教育の歴史が浅かったためでもある.
患者も話し上手ではない.心身共に病んでいる患者の訴えは拙い.何と言っても,医療の素人である.そもそも人間は前向きに生きているのであり,後向きに病歴を振り返るのは苦手である.場合によっては,意識が障害されている.
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