特集 The 初診外来
【初診のみかた】
発熱
中村 権一
1
1飯塚病院
キーワード:
バイタルサイン
,
rash and fever
,
鍵になる身体所見
Keyword:
バイタルサイン
,
rash and fever
,
鍵になる身体所見
pp.665-669
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200609
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Case
伝染性単核症様症状を呈しEBV感染症と急性HIV感染症と診断した一例
患者:35歳,男性.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:咽頭痛・発熱・倦怠感のため近医を受診し,伝染性単核症を疑われ当科紹介.頸部から胸部にかけて小紅斑を認め,血液検査では異型リンパ球増多および肝機能障害を認めた.
伝染性単核症を疑い,EBV(Epstein-Barrウイルス)血清検査を提出.EBV VCA(外殻抗体)IgG(免疫グロブリンG)陽性,EBNA(核内抗体)陰性により急性EBV感染症と診断(3カ月後のEBNAは陽性)したが,同時に検査したHIV(ヒト免疫不全ウイルス)抗原/抗体検査陽性より急性HIV感染症を合併していた.HIV-1RNA RT-PCR陽性,HIV-1抗体(Western blot)陰性より,「急性HIV感染症」と確定した.伝染性単核症様の症状では,急性HIV感染症を必ず鑑別にあげるべきである.
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