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編集後記
山雄 健次
pp.462
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100435
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この度の未曾有の自然災害となる東日本大震災から既に2か月が経過しようとしています.報道機関から流される被災地の状況は今なお極めて厳しいものがありますが,心を1つにして皆で復興に向け永続的な努力と支援を行っていきたいと考えています.
ところで,本号の特集テーマは「肝区域と画像診断update」です.序説,総説,各論を通読して感じたことは,肝区域の理解が日常診療で特に必要とされる肝臓を専門とする外科医や放射線科医にとっては,この特集号は真にBible的な存在になり得る内容を持ったものであるということです.肝区域の理論を進めるにあたって,以前は剖検標本,corrosion liver castや各種画像診断法を用いて丹念かつ地道な研究が行われてきたことが本の内容から読み取れましたが,最近ではMD-CTによる三次元的構築が大きくこの研究を推し進めたことが理解できます.また,実臨床において肝癌や肝門部胆管癌などの外科的手術,経皮的局所療法,肝移植に際してMD-CTはなくてはならないものであることがよくわかります.
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