書評
「下垂体腫瘍のすべて」―寺本 明,長村義之●編集
松谷 雅生
1,2
1埼玉医科大学国際医療センター病院
2埼玉医科大学 脳・脊髄腫瘍科
pp.510
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100682
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長らく渇望していた書が遂に発刊された。下垂体腫瘍の診断と治療の第一人者である寺本 明教授と,下垂体細胞および下垂体腫瘍(細胞)の病理学と生物学の第一人者である長村義之教授が,わが国の碩学の方々を執筆者に揃えて編んだ本書である。
第1章は視床下部・下垂体の発生である。ヒトにおいては妊娠12~17周の間に視床下部―下垂体の神経内分泌系は活動し始め,そこに至るまでには種々の転写因子やその供役因子である内因性増殖因子などが関与している。誠にヒトの生命誕生は神秘的であり,驚嘆を禁じ得ない。この章に続く下垂体ホルモンの分泌機構の章は,下垂体腫瘍の臨床において極めて重要である。
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