糖尿病患者の口腔健康管理 はじめの一歩・8
全身疾患と糖尿病と「歯周病対策」
髙野 直久
1,2
1(公社)日本歯科医師会
2髙野歯科医院
pp.716-718
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200742
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生活習慣病の一つ
本邦において,男女を問わず成人における歯周病罹患率は8割といわれていますが,“8020”達成者も約半数というデータもあります.歯周病に罹患していても,重症化している人と,重症化していない人では何が違うのでしょうか.遺伝的要素や食生活を含めた生活習慣の違いもあるでしょうし,罹患している歯周病原性菌の種類によっても変わると考えるのも自然です.
現在ではあまり聞かれないことですが,一昔前では,「むし歯が多い人は歯周病が少なく,むし歯の少ない人は歯周病になりやすい」という本当のような嘘めいた話を聞くこともありました.歯科医院に通う患者は,通っている期間は,少なくとも歯磨きをいつもより丁寧に行っているはずです.歯磨きを全くすることがない人はほとんどいませんが,本人が言うほどには行えていないと感じることは,歯科診療に携わる立場として日常的に思うことです.
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