こんな時どうする!? 糖尿病患者によくみられる皮膚症状
重症型薬疹—target紅斑の見極めを中心に
渡辺 秀晃
1
,
末木 博彦
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
pp.65-67
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200589
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■内科医からのQuestion
「外来受診中の患者さんに口唇粘膜のびらんを伴い,全身に水疱を伴った発疹がみられる方がいます.39℃台の高熱がみられます.水痘・麻疹・風疹の既往歴があり,それらは否定的と思われます.感冒症状に対し,7日前から抗菌薬,非ステロイド性解熱鎮痛薬を内服しています.どうしたらよいでしょうか?」
■皮膚科医からのAnswer
「粘膜疹を伴う発疹症には,水痘,麻疹等ウイルス感染の他,マイコプラズマ感染症や溶連菌感染症,単純ヘルペス,薬剤内服後に続発する多形紅斑(erythema multiforme : EM)があります.また,薬剤(時にマイコプラズマ感染症後)が原因で重症の皮膚疾患であるStevens-Johnson syndrome(皮膚粘膜眼症候群;SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis : TEN)を発症することもあります.SJS/TENの場合は失明などの後遺症を残すことがあり,またTENは死亡率が19%と高率であることから,早期の確定診断が必要となりますので,直ちに皮膚科へのコンサルトをお願いします.」
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