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特集 糖尿病診療に生かす連続モニタリング―わかること,かえられること
Ⅰ連続血糖モニタリング
連続血糖モニタリングから得られる情報を治療に生かす
製剤量の決定,投与法の変更,治療意欲との関連など
Clinical usefulness of continuous glucose monitoring
長坂 昌一郎
1
1自治医科大学内科学講座 内分泌代謝学部門
キーワード:
①インスリン治療
,
②持続血糖モニタリング
,
③治療意欲
,
④生活習慣
Keyword:
①インスリン治療
,
②持続血糖モニタリング
,
③治療意欲
,
④生活習慣
pp.612-615
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101797
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はじめに
HbA1cの改善は細小血管障害を抑制し,長期的には心血管イベントも抑制する.一方食後高血糖は酸化ストレスを増大させ,動脈硬化症や認知症,さらに心血管イベントとの関連も示唆されている.心血管イベントのリスク因子として,低血糖,特に重症低血糖も注目される.したがって,食後高血糖や低血糖を可能な限り避けて,血糖の変動を最小とする血糖コントロールが重要と考えられる.
食後高血糖や低血糖は,血糖自己測定(SMBG)や自覚症状のみでは検出困難である.本稿では,わが国で利用可能な持続血糖モニタリング(continuous glucose monitoring : CGM)を用いた治療効果の判定,製剤量の決定,投与法の変更などについて,自験例を呈示する.CGM実施に際しては,食事や身体活動についてできるだけ詳細な情報を得ることも大切である.薬物療法だけでなく,食事や身体活動とCGM結果を対比することにより,患者に治療効果を実感させ,治療意欲の向上に結びつけることも,CGMの重要な効果と考えられる.
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