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高血圧を有する2型糖尿病患者が降圧薬を夜に服用すると…
藤澤 智巳
1
1市立堺病院 腎・代謝内科
pp.654-655
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101267
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日常の糖尿病診療においては降圧薬を使うことが多いが,最近降圧薬の服用時間に関する興味深い臨床研究が報告されたのでここに紹介したい.
通常血圧は日内変動を示し,昼間は高く,夜は少し低下するパターンを示す.しかしながら,睡眠中の血圧低下が少ない人(non-dipper型)が存在し,そうした人では心血管イベントのリスクが高いこと,さらに2型糖尿病患者ではこのnon-dipper型が多いことが明らかとされてきた.その一方で,就寝前に降圧薬を服用することにより夜間の血圧を低下させることは知られていたが,眠前の降圧薬投与が心血管リスクに影響するか否かについては明らかでなかった.MAPEC〔Monitorización Ambulatoria para Predicción de Eventos Cardiovasculares(Ambulatory Blood Pressure Monitoring for Prediction of Cardiovascular Events)〕研究は,高血圧を有する2型糖尿病合併高血圧患者448名(平均年齢62.5±10.8)を対象にした前向きランダム化オープンラベル研究である.本研究においては,1剤以上の降圧薬を眠前に投与する眠前降圧薬投与療法が,すべての降圧薬を起床時に服用する“標準療法”に比べて血圧および心血管リスクに影響するか前向きに検討された.
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