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特集 いま一度 低血糖を考える
日本における重症低血糖症の現状
The state of hypoglycemia in Japan
内潟 安子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
キーワード:
①SU薬
,
②自発性低血糖
,
③インスリノーマ
,
④インスリン自己免疫症候群
,
⑤高次機能障害
Keyword:
①SU薬
,
②自発性低血糖
,
③インスリノーマ
,
④インスリン自己免疫症候群
,
⑤高次機能障害
pp.585-589
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101252
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なぜ低血糖症が起こるのか
脳細胞のグリコーゲン蓄積は肝細胞の約1%,あるいは筋肉細胞の10%以下しかないといわれ,脳細胞には肝臓や筋肉などに存在する糖新生の機構がほとんど備わっておらず(低血糖時わずかに乳酸の増加がみられることもあり),脳は唯一,血液の循環による糖分の供給によってエネルギーを調達している体内でも特異的な臓器である.
よって,血液中の糖分が少ないときは低血糖に最も晒されやすく,体は低血糖症を発症する.
低血糖とは,血糖値が異常に低下し,生理的範囲の下限を下回ることをいう.低血糖症は低血糖によって発症した臨床症状が出現することを指す.
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