特集 やる気を引き出す糖尿病診療 10のコツ
Road of the Master Clinician
糖尿病を環境の変化の中でとらえなおす―後藤由夫先生(東北大学名誉教授)に聞く
𠮷岡 成人
1
1北海道大学 第二内科
pp.644-652
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100224
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□医学部志望のきっかけ
𠮷岡 後藤先生は,旧制二高から東北大学の医学部に進まれたわけですが,その理由からおうかがいします.
後藤 中学の頃は北海道大学の農学部に行こうと思っていたんですが,酒田中学の先生から,高等学校に行きなさいと言われ,それで高等学校を受けたわけです.それで,運よく入ったわけです(笑).高等学校に入って,まず第一番目に困ったことは,東京の人が多くて,皆標準語で喋る.こっちは,言われたことはわかるけど,喋るのが照れくさくてね.だから,1学期は喋らなかった.
𠮷岡 酒田の言葉というのは?
後藤 庄内弁ね.日本海側はみな同じで,特に津軽は訛りがあるでしょう? 初めは生物学に興味を持っていたんです.寮ではいろんな人が一緒で,西澤潤一先生(元東北大学総長)は1年下で,一緒に寝起きしていた.それから,日本宝石学会会長で,東北大学,定年後は山梨の宝石学校の校長をやっている砂川一郎や火山噴火予知連の下鶴大輔もいた.
さて第二次世界大戦が始まり,生物学では,二等兵で鉄砲を担がなければならない.「軍医なら楽じゃないか」と思ってね(笑).軍医になるコースをいけば,卒業まではやらせてくれるというので,医学部に入ったわけです.だから,崇高な「人類愛に燃えて」というのではないんです(笑).
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