Update '98
患者の質問に対して
平井 孝男
1
1平井クリニック
pp.886
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903717
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患者・家族からの質問として多いのが「私は病気でしょうか」「(病気としたら)病名は何でしょうか」「原因は」「治りますか」「どのくらいかかりますか」「どうやったら治りますか」「(いろんな場合に)どうしたらいいでしょうか」といった切実な問いである.これらの質問に答えるのは,精神神経科・心療内科領域の場合,大変難しいのであるが,これに対してきちんと対応することは,治療の基本でもあるし,目標ともなる.
この対応で気をつけねばならない点は,①正しく有益に情報が伝わること(患者は,恐怖と幻想の混じった様々な誤解をしていることが多い),②この情報を患者が治療的に正しく使えることが大事だということ,③患者・状態に応じて様々な答え方があるということ,④答えるというより,治療者が適切に質問して,患者自らが上記の答えを発見するように組み立てるほうが治療的である場合が多いこと,⑤患者と治療者の問にずれがないかどうか常に注意しておくこと,といったことのように思われる.
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