JIM臨床画像コレクション
硬膜動静脈瘻の手術所見
小山 素磨
1
1大津市民病院付属脊髄疾患臨床研究施設
pp.474
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903265
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この種の血管奇形は脊髄撮影や脊髄血管撮影で脊髄の表面を1本の血管が蛇行して走るようにみえることから,古くはsingle coiled vessel typeと呼ばれていた.しかし,脊髄血管撮影の技術の進歩と知識の蓄積の結果,この血管は硬膜外や硬膜の中にある動静脈奇形〔最近では組織学的研究により動静脈奇形より動静脈瘻(AVF=arterio venous fistula)がほとんどであるといわれている〕の導出静脈にすぎないことがわかってきた.
手術では,この硬膜外や硬膜の中(硬膜内(下)でなく硬膜そのものの中)にある動静脈瘻を電気凝固し破壊するか,血管内手術でつめてしまえばよいと理論的には考えられている.しかし,筆者は硬膜を開き,くも膜は温存しながら導出静脈が硬膜を通過する部分を探し,この血管を硬膜の裏面で十分に電気凝固した後,切断し導出静脈が黒く変色するのを確かめるのが一番安全で確実であると考えている.
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