Update '97
口腔癌患者の重複癌
小宮 善昭
1
1都立駒込病院口腔外科
pp.1058
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902336
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都立駒込病院口腔外科で1976年5月から1996年4月までの20年間,口腔癌患者の重複癌の発生に関するコホート観察を行った.重複癌の判定をIARCの判定基準にて行った結果,重複癌の発生率は18.4%であった.前半10年の重複癌の発生率は11.5%なのに対し,後半10年の発生率は23.5%で,2倍の増加を認めた.
本調査の期間中の当院の全重複癌の発生率は6.2%で,口腔癌患者の重複癌の発生率は明らかに高い.伊藤らが,「頭頸部癌に重複癌が多く,それが年々増加する傾向がある」と指摘した報告と一致した。したがって,「いつ」,「どこに」発生するかが推測できれば,重複癌の早期発見・治療が可能となる.
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