歯~とぴあ―臨床医のための歯の話・4
口腔癌
鈴木 俊夫
1
Toshio Suzuki
1
1鈴木歯科医院
pp.913
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900615
- 有料閲覧
- 文献概要
一般に,口腔癌の発生頻度は,全癌の2%位と言われており,日本人では,10万人に2~3人の発生頻度と推測されている.しかし,高齢化社会の到来とともに,発生頻度は,さらに上昇するのではないかと考えられている.
口腔癌は,他の癌と異なり,上顎洞内に原発する上顎癌など一部を除いて,口腔内に,その前癌病変が出現することが多い.したがって,ほとんどの場合,比較的早期に開業歯科医院で発見され,大学病院などの歯科口腔外科へ紹介されてくる.しかし,すべての患者が歯科医院へ通院しているわけではなく,また高齢者,無歯顎の患者や寝たきり老人などでは,歯科医院に受診することが比較的少ないため,発見が遅れることが多いのではないかと思われる.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.