特集 見逃してはいけない!アルコール関連問題
【各論】
不健康な飲酒者への介入の実際―動機づけ面接法を用いて
後藤 恵
1
1翠会ヘルスケアグループ精神医学研究所
キーワード:
飲酒限度量
,
変化の5段階モデル
,
動機を構築する
,
反映的傾聴
,
現状と希望する未来の矛盾の拡大
Keyword:
飲酒限度量
,
変化の5段階モデル
,
動機を構築する
,
反映的傾聴
,
現状と希望する未来の矛盾の拡大
pp.953-956
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103030
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不健康な飲酒者との出会いを見逃さない
飲酒による健康被害の危険性を,一般の国民は十分知らされていない.厚生労働省は,1日20グラムのアルコールが摂取限度量であるという指針を出しているが,いったいどれほどの国民がこれを周知しているだろうか.多くの人々が,良いことと信じて毎日飲酒している.したがって,よほど注意して聞き出さなければ,大量飲酒にかかわる情報は埋もれてしまう.
私たちは,積極的に患者の飲酒量や飲酒習慣を聞き取る努力が必要である.飲酒の習慣はあるか,もしあれば,どのような種類の(銘柄の)アルコール飲料をどのくらい飲むか,質問する.相当飲むようであれば,どのくらい飲めるか,普段はどのくらい飲むのか,休日には日中から飲むか,夜になって飲むか,飲酒は大勢の場合に限るか(社交的飲酒),一人でも飲むか,について詳しく聞く.初めて飲んだアルコールの種類と量,年齢や状況についても必ず聞いておく.10代から習慣飲酒を始めた人は乱用・依存症になりやすく,容易には断酒できないことが多い.
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