特集 今日の代替医療 漢方と鍼灸を中心に
【診療】
総合診療外来での漢方診療の実践
貝沼 茂三郎
1
,
林 純
1
1九州大学病院総合診療科
キーワード:
総合診療
,
漢方薬
,
証(漢方医学的診断)
Keyword:
総合診療
,
漢方薬
,
証(漢方医学的診断)
pp.736-738
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101778
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
全身倦怠感に人参湯と真武湯エキスの合方が有効な1例
患者:33歳,女性.
現病歴:200X年2月から全身倦怠感が出現し,休職していた.同年6月当科を初診.内分泌学的検査は異常なし.寒がりで,入浴すると2~3分で疲れる,気力もなし.脈候で沈弱であったことから,ツムラ人参湯エキス7.5gと真武湯エキス7.5gを1日分3毎食前に温服とした.2週間後には倦怠感が軽減し,2カ月後には完全職場復帰が可能となった.人参湯と真武湯エキスの合方は,西洋医学的に,全身倦怠感を裏付ける異常所見がなく,問診で寒がりで長風呂ができる,入浴するのが疲れるほど非常に体が弱っていると答えている場合には,積極的に用いてよい処方である.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.