特集 高齢者と薬
せん妄時に使用する薬剤
久松 徹也
1
,
古茶 大樹
1
1国立病院東京医療センター精神科
キーワード:
せん妄
,
認知障害
,
睡眠覚醒リズム
Keyword:
せん妄
,
認知障害
,
睡眠覚醒リズム
pp.944-947
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100733
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Case
チアプリドにて中程度の精神運動性興奮,自律神経症状が改善された夜間せん妄の1例
患 者:84歳,男性.
既往歴:4年前に喉頭癌,前立腺肥大.
現病歴:動悸,起座呼吸,下肢浮腫にて,循環器内科に入院し,うっ血性心不全,頻拍性心房細動にて加療中であった.飲酒歴は機会飲酒.入院直後より不眠,夜間徘徊,被害妄想,幻視出現し,夕刻より増悪傾向にあった.チアプリド50 mg/日,セレネース1A,コントミン1Aなどの筋注にて精神運動興奮治まらず,チアプリド100 mg(2×夕,眠前),レンドルミン1眠前投与に変更.その後,夜間に軽度の認知障害,軽度ふらつきはあるものの,不眠,幻覚妄想,頻脈は改善した.
せん妄は一般病棟に入院した患者の10~30%に発症するとされており,一般病棟において最も頻回に遭遇する精神症状である.とくにコンサルテーション-リエゾン精神医学では,その治療は重要な位置を占めている.
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