Japanese
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手術手技 基本手技・2
腎細胞癌—経胸腹的腎摘除術
Renal Cell Carcinoma:Thoracoabdominal Nephrectomy
大西 哲郎
1
Tetsuro Onishi
1
1東京慈恵会医科大学附属青戸病院泌尿器科
キーワード:
賢細胞癌
,
経胸腹的腎摘除術
,
手術手技
Keyword:
賢細胞癌
,
経胸腹的腎摘除術
,
手術手技
pp.113-118
発行日 1999年2月20日
Published Date 1999/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904480
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腎細胞癌に対する腎摘除術に際して最も重要な点は,(1)腎摘時の手術操作に伴う腫瘍細胞の播種を避ける目的で,腫瘍操作前に腎動静脈を結紮,切断すること,(2)腎細胞癌とともに,腎周囲脂肪織,副腎,Gerota筋膜を一塊(en bloc)に摘除することである。この目的のため,腫瘍径の大きな症例や腎上極に主病変を有するような症例では,経胸腹的腎摘除術は手術視野の点で優れた術式である。手術に際して基本となる点は,(1)術前肺機能評価,(2)体位(約30°の半側臥位),(3)皮膚・肋骨切開線(第8肋骨開胸),(4)術後呼吸管理である。術後合併症としては,開胸操作に伴う胸壁運動障害や横隔膜切開による横隔膜運動抑制に伴う喚気障害がある。しかし,閉塞性喚気障害を伴った高齢者を除いて,合併症は軽微である。本術式は,症例の適切な選択によって,より高い根治性が達成可能となる術式である。
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