増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅲ 男性尿道・陰茎および腹壁の局所解剖
3.鼠径部
精巣固定術
西尾 俊治
Toshiharu Nishio
pp.172-176
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902052
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精巣固定術は時期的には精巣の障害がまだ可逆的な2歳の終わりまでに行うべきといわれている。症例により精巣が明らかに触知するときと非触知の場合がある。また,精巣を触知してもやや頭側に高い位置のときがあり,精巣,精索などを長い距離にわたって剥離する際には十分な解剖学的知識がないと筋膜,筋層の切離,重要な血管,神経の温存,腹膜の処理ができない。精巣をもし触知しなければ,腹腔鏡観察,腹腔内まで検索する用意,Fowler-Stephens固定術,2期的固定術,下腹壁動静脈と精巣血管を吻合するマイクロサージェリーのいずれかの準備をすべきである。本稿では,精巣を触知する多くの場合を想定してその術式に必要な局所解剖について解説する。
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