特集 どう変わった? 血尿診断の最前線
企画にあたって
どう変わった? 血尿診断の最前線
宮嶋 哲
1
1東海大学医学部外科学系腎泌尿器科学
pp.675
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207892
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『血尿診断ガイドライン2023』が今年6月に刊行されました.『血尿診断ガイドライン2013』発刊以来,10年ぶりの改訂となりました.今回の改訂では,第一に実用的であること,次に初期研修医から専門医まで幅広く使用できる内容であることを念頭に作業が行われてきました.本改訂では,これまでに蓄積されたエビデンスに基づき,重要臨床課題を列挙し,関連学術論文のシステマティックレビューを経て,新たなclinical question : CQが作成されています.システマティックレビューしえない臨床的な疑問はbackground question : BQとして,また既知の重要な事実はgood practice statementとして表現されています.
今回,新たに作成されたCQ/BQやgood practice statementを基に,診療アルゴリズムが作成されましたが,血尿診断に関する診療アルゴリズムも大きく改変しています.これはMicrohematuria : AUA/SUFU Guidelineの診断アルゴリズムが大胆な改変を行っていることに起因しています.血尿を呈した場合の尿路上皮癌のあるリスク分類や,それらリスクごとに必要な検査,さらには肉眼的血尿の定義について多くの時間を費やし議論を繰り返してきました.結果として現段階における最新の血尿診断アルゴリズムが出来上がっています.一方で今後解明すべき課題も少なくないことがわかってきました.
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