綜説
筋層浸潤性膀胱癌に対する周術期補助薬物治療の最前線
菊地 栄次
1
,
早川 望
1
1聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学
キーワード:
筋層浸潤性膀胱癌
,
化学療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
筋層浸潤性膀胱癌
,
化学療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.347-353
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207569
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要旨
筋層浸潤性膀胱癌に対する標準治療は膀胱全摘除術であるが,さらなる予後向上を目指して周術期補助治療が試みられてきた.代表的な臨床試験としてSWOG8710,VESPER,EORTC 30994,CheckMate 274,IMvigor010が挙げられる.シスプラチンベースの術後補助化学療法は,一般的に患者の忍容性が低く,また術前補助化学療法後の残存高リスク腫瘍に対する追加治療としての意義は乏しい.術後補助治療として最近,ニボルマブの使用が承認され,real-worldでの実績が試されている.今後,筋層浸潤性膀胱癌に対して手術治療と相性のよい,長期予後向上に寄与する新規周術期補助薬物治療の登場が期待される.
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