Japanese
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特集 女性下部尿路機能障害のベストマネジメント
Ⅱ.病態
骨盤臓器脱と過活動膀胱
Pelvic organ prolapse and overactive bladder
巴 ひかる
1
Hikaru Tomoe
1
1東京女子医科大学東医療センター骨盤底機能再建診療部/泌尿器科
キーワード:
骨盤臓器脱
,
過活動膀胱
,
下部尿路閉塞
Keyword:
骨盤臓器脱
,
過活動膀胱
,
下部尿路閉塞
pp.266-271
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205184
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要旨 非神経因性過活動膀胱(OAB)の原因には,①下部尿路閉塞,②加齢,③骨盤底の脆弱化,④特発性がある。下部尿路閉塞を有する男性の前立腺肥大症の約半数にOABが合併するように,女性では骨盤底脆弱を病因とし下部尿路閉塞を伴う骨盤臓器脱(POP)の約半数がOABを合併する。
POPに合併したOABにも過半数の症例で抗コリン薬は有用であり,ペッサリーやPOPの手術によって約半数のOAB症状が消失する。
POPに合併するOABには2通りあると考えられ,1つはPOPに別疾患としてのOABを合併している場合,もう1つはPOPそのものがOABを誘発している場合である。前者ではそれぞれの治療が必要になるが,後者ではPOPの治療をすることでOAB症状も消失することが多く,POP誘発OABはきわめてすみやかに改善する可逆的な原因によると推測される。
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