交見室
前立腺癌に対するLH-RHアナログ療法/陰茎癌8例の治療経験について
片山 喬
1
1富山医科薬科大学泌尿器科
pp.826-827
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204579
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本誌41巻7号所載杉本先生ほかの論文を興味深く読ませて頂きました。前立腺癌に対するLH-RHアナログ療法については,われわれもZoladexとLeup-rolide投与の経験があり,先生方の結果と比較し,二,三の私見を述べさせて頂きます。
本療法開始後の血中テストステロンは,先生方の成績では2〜8週,平均3週ですべて去勢レベルに達したとのことですが,われわれも4週以内に全例去勢レベルに達しており,本剤によりmedical castrationが得られることは明らかで,臨床効果もわれわれの例では12週目で82%有効と良好ですが,従来の抗男性ホルモン療法ならこの効果がもつと早期に得られます。したがつて,先生方も経験されたフレアーアップ現象の危険性,D2症例における骨転移の疼痛の消失が遅れることや排尿障害の寛解が遅れることなど従来のホルモン療法より不利な点に対する対策(たとえばanti-androgen剤との併用など)を早く立てる必要があるのではないでしようか。
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