Japanese
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図譜・388
原発性前立腺結石の1例
A CASE OF PRIMARY PROSTATIC CALCULI
井川 欣市
1
,
安達 徹
2
Kin-Ichi Igawa
1
,
Toru Adachi
2
1陸上自衛隊札幌地区病院泌尿器科
2Urology Service, Adachi Infirmary
1Urology Service, Sapporo District Hospital, Japan Ground self-Defense Force
pp.94-95
発行日 1973年2月20日
Published Date 1973/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201556
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46歳,男子。初体験の急性尿閉を主訴として来院,これまで排尿困難を自覚したことはなかつたという。580mlの導尿尿は黄褐色溷濁を呈し,蛋白反応(+)で沈渣物中に多数の白血球と桿菌を認め培養にて緑膿菌を証明した。直腸内診で小鶏卵大に腫大せる前立腺を触知し,その表面は凹凸不平で硬く,クレピタチオンを証明した。血液化学所見はCa 4.7mEq/L, P 5.3mEq/L, Alkalinephosphatase 9.0 K.A.u., Acid phosphatase 3.0 K.A.u.といずれも正常値を示した。骨盤部単純撮影像にて恥骨結合部に5×5cmのほぼ円形をなすび漫性小結石集塊を認め,個々の結石陰影は直径1〜10mmの多岐にわたつていた(第1図)。腎尿管膀胱部単純撮影および排泄性尿路撮影像より上部尿路には異常所見のないことが判明したが,下降性膀胱撮影像では上記の結石集塊陰影像の外に膀胱底部の軽度上昇と多数の二次性膀胱憩室が認められ,かなり長期間にわたり無自覚的な排尿障害が持続していたことを思わせた(第2図)。
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