Japanese
English
綜説
睾丸におけるホルモン生成とその機能
Testicular Hormones and Their Functions
岩動 孝一郎
1
,
玉置 文一
2
Kôichiro Isurugi
1
,
Bunichi Tamaoki
2
1東京大学医学部分院泌尿器科
2放射線医学総合研究所薬学研究部
1Department of Urology, Faculty of Medicine, Tokyo University
2National Institute of Radiological Sciences
pp.181-192
発行日 1972年3月20日
Published Date 1972/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201343
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緒言
睾丸ホルモンすなわちアンドロジェンに関する研究はここ数年来飛躍的な発展をとげつつある。その要因としてラジオアイソトープで標識されたステロイドなどを利用することによつて,テストステロンその他各種ステロイドの微量測定が可能となり,in vivoにおけるアンドロジェンの動態がかなり解明されたことがあげられる。またin vitroにおいても,標識ラジオアイソトープを追跡することによりアンドロジェン生合成の経路とか関連する酵素系の研究が進み,とくに超遠沈法をふくむ細胞成分分画法の応用により酵素活性と細胞内の構造との関係づけが可能になり,アンドロジェンの研究が臓器レベルから細胞レベル,さらには細胞内の微細構造レベル,そして分子レベルにまで掘り下げられてきている。
さらに最近ホルモンの作用機序の研究が分子生物学的な展開をとげつつあり,アンドロジェンあるいはエストロジェンの細胞内での作用が一連の核酸と蛋白質の生合成を介して発現していることがわかつてきた。
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