小さな工夫・8
簡単にして確実な精管結紮法
豊田 泰
1
1都立広尾病院泌尿器科
pp.71
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200852
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この内腔焼灼という簡単な操作を加えて精管結紮を行なうようになつてから5〜6年になるが,まだ1例の失敗例も経験しない。
精管の露出には特に変つた点はない。わたくしの採つている方法は,陰嚢の外側に偏して小皮切を加え,この創内からバックハウス布鉗子を用いて精管を引つかけ引き出して固定する。ついで,精管直上で被膜に小切開を加え,バックハウス布鉗子やモスキート鉗子を用いて精管のみを分離する。この際,精管に附随する血管をていねいに剥離し,無用の出血をさせないよう注意しなければならぬ(第1図)。電気メスの針を精管内腔に刺入して精嚢側に5〜6mm進め軽く焼灼する(第2図)。
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