特集 腎・尿管結石の治療―こんなときどう対処する?(1)
企画にあたって
郡 健二郎
pp.397
発行日 2014年5月20日
Published Date 2014/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103576
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- 文献概要
本特集でとりあげたESWL,PNL,TULは1980年代の同じころに開発されたもので,その後尿路結石の外科的治療は大きく進化をとげてきました。わが国に導入された当初は,指導的できる先生が少なく,今の腹腔鏡手術やロボット手術のような指導システムもなく,各先生が見ようみまねで手術手技を学んでいたように思います。当時は今より海外との交流が少なく,マニュアルやガイドラインがなかったためでしょう。
そのような先人の苦節の上に,ESWLや内視鏡手術(以下,これらの外科的治療法)は尿路結石に対する確固たる治療法になりました。しかし現在では,一部の施設の間では,「これらの外科的治療は専門病院や一部の専門家に任せておけばよいのだ」との風潮があります。確かに,このような考え方は医療が専門化し先端化するにつれて必要なときもありますが,尿路結石は泌尿器科ではもっともポピュラーな疾患です。男性では約7%の人が一生に一度は結石になるまでに増加の一途をたどり,5年再発率は約50%にもなっている時代です。これらの外科的治療をマスターしないで病院における泌尿器科診療はできなくなっています。
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