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腹腔鏡下腎盂形成術の際にも,術後のスムーズな尿ドレナージと吻合部保護の目的にDJカテーテル留置操作が必要になる。DJカテーテル留置の方法には,術直前の経尿道的操作にて尿管狭窄部付近にオープンエンドカテーテルやガイドワイヤーを留置し,カテーテルを挿入する逆行性と,体外からガイドワイヤーを挿入しカテーテルを挿入する順行性がある。特に小児では,術後尿道狭窄や麻酔時間延長,さらに被曝の問題から経尿道的操作は必ずしも望ましいとはいえない。また,カテーテル操作可能な小児膀胱鏡など特殊な機器の準備や体位変換が必要である。そのほか,ポートからの挿入法もあるが,ストレートなガイドワイヤー操作が難しく,ポートを1つ占拠するため鉗子操作がさらに難しくなる。
今回,われわれは,小児の腹腔鏡下腎盂形成術のDJカテーテル留置について小さな工夫を考案した。腎盂尿管の背側吻合が終了したのち,順行性にDJカテーテル留置を行う。まず,体外に引き出した腎盂を牽引する糸のやや頭側(吻合部の位置との関係から考慮する)から体外より16~18G外筒付き注射針を腹壁から腹腔内に穿刺し,0.035~0.038ガイドワイヤーを挿入する(図1,図2)。DJカテーテルを挿入する際,腹壁の抵抗のためスムーズなカテーテル挿入が難しいことが多く,そこでコスト面に多少問題はあるものの,スムーズなカテーテル挿入が行えるよう,6~8Frの腎瘻拡張用ダイレータを用いて腹壁を拡張する。その後,腎盂尿管の吻合部から膀胱側に向かって順行性にDJカテーテル挿入を行い,膀胱内にインジゴカルミン入り生食水を注入し,逆流を確認後,腎盂にDJカテーテル先端を納め,腎盂尿管の腹側吻合を終了する。
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