特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
C.腹腔鏡下手術
【腹腔鏡下腎盂形成術】
58.腹腔鏡下腎盂形成術を施行中の患者です。腎盂形成法の決定に悩んでいます。どのように対処すればよいでしょうか。
宮嶋 哲
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科
pp.177-180
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101135
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開腹手術による腎盂形成術の臨床成績はきわめて良好ではあるが,上腹部の開創を伴うために侵襲性が大きいことが欠点である。このような欠点を改善する目的で,尿管鏡や腎盂鏡による内視鏡下腎盂切開術(endopyelotomy)が導入されたが,交差血管の有無により一定の成績が保てない欠点がある。腹腔鏡下腎盂形成術は,上記の両者の欠点を改善する新しい術式として多くの施設で導入されつつある。
開腹手術と同様に狭窄部を切除して腎盂を再吻合するAnderson-Hynes法1,2)のほかに,狭窄部を縦切開してから尿管軸に対して水平方向に縫合するFenger法3)も行われている。このほかに,交差する腎動脈分枝血流を温存するために腎外腎盂前面に移動変位させて固定するHellstroem手術4)がある。小児症例を除き,従来の開腹による腎盂形成術の適応となる症例はすべて腹腔鏡下腎盂形成術の適応である。その適応については,現在,日本EE学会泌尿器腹腔鏡手術ガイドライン委員会でガイドラインを作成中である。
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