Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
3.新しい検査法と診断法
UV-A光を用いた高倍率皮膚鏡検査による疥癬の糞便の観察
Observation of scabies feces by high-power-field dermatoscopy using UVA light
藤本 萌
1
,
坂井 浩志
2
Megumi FUJIMOTO
1
,
Hiroshi SAKAI
2
1国立病院機構大阪医療センター皮膚科
2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
1Division of Dermatology, NHO Osaka National Hospital, Osaka, Japan
2Department of Dermatology, Course of Integrated Medicine, Graduate School of Medicine, Osaka University, Osaka, Japan
キーワード:
疥癬
,
糞塊
,
ダーモスコピー
,
近紫外線
,
蛍光
Keyword:
疥癬
,
糞塊
,
ダーモスコピー
,
近紫外線
,
蛍光
pp.81-85
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207274
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
疥癬はヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの感染により発症し,ヒゼンダニの虫体,糞,脱皮殻などに対するアレルギー反応による皮膚病変と瘙痒を主症状とする感染症である.その確定診断にはヒゼンダニの検出が必要であり,顕微鏡検査やダーモスコピー検査が行われるが,虫体や虫卵,糞塊の検出に難渋する場合も経験される.今回われわれは白色光およびUVAを光源とするダーモスコピーを作成し,強拡大で疥癬患者の皮膚を同一視野で探索した.すると,UVA光源下ではヒゼンダニの糞塊が蛍光を有し明瞭に観察され,軌跡をたどると容易に虫体を確認できた.また強拡大ダーモスコピーでは,コントラストを調整することで,虫体・糞塊だけでなく,虫卵までも明らかになった.白色光・UVAを光源とする強拡大ダーモスコピーは疥癬診断に有用となる可能性が示唆された一方で,その実体顕微鏡としての利用も期待される.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.