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書評 —著:上田 剛士—日常診療に潜むクスリのリスク—臨床医のための薬物有害反応の知識
山中 克郎
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1諏訪中央病院総合内科
pp.846
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205215
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上田剛士先生(洛和会丸田町病院救急・総合診療科)は数多くの文献から重要なメッセージを抽出し,わかりやすい表やグラフにして説明してくれる.評者と同様,『ジェネラリストのための内科診断リファレンス』(医学書院,2014年)を座右の参考書としている臨床医は多いであろう.これは臨床上の問題点に遭遇したとき,そのエビデンスを調べる際に非常に重宝している.
『日常診療に潜むクスリのリスク』は薬の副作用に関する本である.高齢者はたくさんの薬を飲んでいる.私たちは気が付いていないのだが,薬の副作用により患者を苦しめていることは多い.「100人の患者を診療すれば10人に薬物有害反応が出現する」(序より),「高齢者の入院の1/6は薬物副作用によるもので,75歳以上では入院の1/3に及ぶ」(p.5より)という事実は決して看過すべからざることである.「Beers基準」や「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」は存在するが,高齢者への適切な処方への応用は不十分だ.
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