Japanese
English
症例報告
手指足趾に生じた転移性皮膚癌の3例—転移性皮膚癌21例の検討
Three Cases of Metastatic Carcinoma to the Skin of the Fingers or Toes--A Study of 21 Cases of Metastatic Carcinoma to the Skin
川口 とし子
1
,
石井 則久
1
,
中嶋 弘
1
,
内山 光明
2
Toshiko KAWAGUCHI
1
,
Norihisa ISHII
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
,
Mitsuaki UCHIYAMA
2
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
2神奈川県立がんセンター皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Madicine
2Department of Dermatology, Kanagawa Prefectural Cancer Center
キーワード:
転移性皮膚癌
,
手指・足趾
,
統計
Keyword:
転移性皮膚癌
,
手指・足趾
,
統計
pp.727-732
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204151
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指趾に生じた転移性皮膚癌3例を報告した.成人の指趾に突然生じた小結節は転移性皮膚癌を疑う必要があると思われた.また,近年当科で経験した転移性皮膚癌21例について検討したところ以下の結果を得た.①男性では50〜70歳代に一峰性の分布を示したが,女性では,30〜40歳代と60〜80歳代とに二峰性の分布を示した.②原発巣は肺癌と乳癌が最も多く,両者で全体の57.1%を占めた.③臨床像は結節型,組織像は腺癌が最も多かった.④発生部位は,好発部位とされる胸部,頭部以外に,比較的稀とされる背部,四肢にも少なからず認められた.⑤原発巣発見から皮膚転移までの期間,皮膚転移から死亡までの期間は各々,2年11カ月,8カ月であり,乳癌の症例では,どちらも長い傾向にあった.⑥皮膚転移が原発巣発見に先行した症例は10例で,全体の47.6%を占めた.
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