Japanese
English
原著
石灰化上皮腫(腫瘤型)の2例
Two Cases of Calcified Epithelioma (Tumorous Type)
赤尾 明俊
1
,
片倉 仁志
1
,
亀田 洋
,
中嶋 弘
2
Akitoshi AKAO
1
,
Hitoshi KATAKURA
1
,
Yo KAMEDA
,
Hiroshi NAKAJIMA
2
1小田原市立病院皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Odawara Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.1001-1004
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203789
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症例1:67歳男性.2カ月前より,左耳前被髪部に25×20mmの赤褐色半球状腫瘤を認めた.症例2:65歳,女性.3カ月前より,右前額側頭部生え際に20×17mmの赤褐色半球状腫瘤を認めた.組織は共に典型的な石灰化上皮腫であった.石灰化上皮腫は"通常型"と呼ばれるもののほか,水疱様を呈する特異例(水疱様型)の報告がある.本2例は腫瘤を形成していて,通常型とも水疱様型ともいいがたく,腫瘤型として報告した.この特異な臨床像をとる原因としては,水疱様例と同様に,皮下組織が少ない部位に比較的急速に腫大したこと,水疱様型と比べると,擦過等の外的刺激が少なかったことなどの外的要因が主因と考えられる.顔面,頭部など皮下組織が少なく,骨に近い部位に比較的急速に発育する腫瘤をみた場合には,石灰化上皮腫も考慮せねばならない.
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