Japanese
English
原著
右前額部に生じた菌腫の1例
A Case of Mycetoma Arising on the Right Forehead
渡辺 晋一
1
,
滝沢 清宏
1
,
石橋 康正
1
,
奥平 雅彦
2
Shin-ichi WATANABE
1
,
Kiyohiro TAKIZAWA
1
,
Yasumasa ISHIBASHI
1
,
Masahiko OKUDAIRA
2
1東京大学医学部皮膚科教室
2北里大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Pathology, Kitazato University School of Medicine
pp.937-943
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202512
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要約 46歳,女.昭和47年4月頃,何ら誘因なく右前額部に痤瘡様皮疹が出現し,徐々に直径1cm大の骨様硬の皮下腫瘤となり,近医にて切除をうけるも3回再発.昭和53年5月頃,3回目に再発した腫瘤は急速に増大し,直径5cmほどとなり,表面に紅色小結節が多発し,圧痛があったため悪性腫瘍の疑診で同年11月30日当院脳外科に入院.12月1日当科初診した.右前額部に66×57×17mmの皮下の骨様硬腫瘤が存在し,下床と癒着があり,表面は米粒大から約1cm大までの弾性軟の紅色小結節が存在し,痂皮が付着している.排膿,リンパ節腫脹はない.組織学的に膿瘍を認め,膿瘍内に不規則な楕円形,半月形の顆粒を認めたため,菌腫と診断した.培養未施行のため,螢光抗体法で菌の同定を試み,併せて顆粒の電顕的検討も行った.原因菌としてはノカルジアが疑われた.
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