Japanese
English
綜説
毛嚢腫瘍について
Tumors of the Hair Follicle
石川 謹也
1
Kinya ISHIKAWA
1
1川崎市立川崎病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kawasaki City Hospital
pp.379-386
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202055
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毛嚢腫瘍(hair follicle tumor)の分類はすでに1948年,Lever1)によって簡単になされているが,その後新しい病型が記載されるようになり,1960年以後,Kligman & Pinkus2),Headington & French3),Gartmann & Kiessling4),安原5),Grimmer6),Duperrat & Mascaro7),Mehregan8)により細分されるようになってきた.また,Pinkus & Mehrcgan9)の皮膚病理組織学の教科書にも記載されている.最近ではRahbariら10),森岡ら11),さらにHeadington12)のきわめて詳細な分類がある.毛嚢腫瘍を分類する際,毛嚢全体の分化度の程度に従って分ける方法と,それとは別個に毛嚢のいずれの部位より発生したかによって分ける方法との2つにすると理解しやすいと思考される.ところでPinkus9)も述べているように毛嚢を表現する適当なギリシャ語はなく,毛を意味するθρiξ(thrix)の属格であるτρiχos(trichos)(=of hair)によって表現されることが多い.この点,漢字の場合は毛と毛嚢と簡潔明確に区別して病名をつくることが出来るので便利である.その種類はきわめて多いが主なものについて以下の如く分類してみた.
毛嚢全体として分化度のよいものより順に分類した場合
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