Japanese
English
原著
乳房外(肛門周囲)Paget病の1例
A Case of Extramammary (Perianal) Paget's Disease
村尾 烈
1
,
藤田 琢二
2
Tsuyoshi MURAO
1
,
Takuji FUJITA
2
1岡山市立市民病院病理
2藤田病院
1Department of Pathology, Okayama City Hospital
2Fujita Hospital
pp.1065-1069
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201995
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要約 80歳,男性.8年前より肛門周囲に湿疹様病変があり瘙痒感があったが放置していた.肛門左側1時から7時の範囲に4.5×7cmの紅斑があり同時に内痔核を認めた.内痔核の手術後紅斑部の広範囲切除を行った.術後6カ月再発はみられない.
病理組織所見:Paget細胞は主として表皮基底層に胞巣状に増殖しているが基底膜を越えて増殖している部位や汗腺導管にそって深部へ及んでいる部位があった.Paget細胞は直腸円柱上皮層には波及していなかった.電顕所見ではPaget細胞間及び細胞と有棘細胞間に小さなデスモゾームの形成がみられた.Paget細胞の細胞質には少量のフィラメントが存在し,メラニン顆粒も認められた.少数の細胞にはmicrovilliが存在した.
以上の症例を報告し,主としてPaget細胞の由来に関する文献的考察を記述した.
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