Japanese
English
症例報告
色素沈着を契機に診断に至った特発性Addison病の1例
A case of idiopathic Addison's disease with hyperpigmentation as the initial clinical manifestation
藤田 靖幸
1
,
松村 和子
1
,
村田 純子
1
,
吉田 昌弘
2
,
和田 典男
2
Yasuyuki FUJITA
1
,
Kazuko MATSUMURA
1
,
Junko MURATA
1
,
Masahiro YOSHIDA
2
,
Norio WADA
2
1札幌社会保険総合病院皮膚科
2札幌社会保険総合病院糖尿病内分泌科
1Department of Dermatology,Sapporo Social Insurance General Hospital
2Department of Diabetes Mellitus and Endocrinology,Sapporo Social Insurance General Hospital
キーワード:
Addison病
,
コルチゾール
,
ACTH
,
メラノサイト
,
抗副腎皮質抗体
Keyword:
Addison病
,
コルチゾール
,
ACTH
,
メラノサイト
,
抗副腎皮質抗体
pp.690-693
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100968
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要約 18歳,男性.初診の7か月前から口唇に色素斑を生じ,次第に拡大してきた.平坦で均一な色調の褐色~黒色斑が,口唇・口腔粘膜・舌に多発・融合していた.軽度の倦怠感を伴っていたが,明らかな体重減少・発熱・低血圧はなかった.血液検査にて血中ACTH高値,血中コルチゾール低値であった.色素斑からの皮膚生検では,著明なメラノサイトおよびメラニン色素がみられた.迅速ACTH負荷試験・連続ACTH負荷試験にて,いずれもコルチゾールは無反応であった.画像検査で副腎の腫大・石灰化はなく,特発性Addison病と診断した.Addison病の色素沈着は本症例のごとく初発症状になり,皮膚科受診から本症の診断に至ることもある.特徴的な色素沈着を診察した際には,注意深く診療を進めることが必要である.
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