これすぽんでんす
ご意見に答えて
村山 淳子
1
1取手協同病院皮膚科,現・九段坂病院皮膚科
pp.331
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100090
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貴重なご意見ありがとうございました.われわれの論文において解説が不足していた部分をご指摘いただき感謝しております.
さて,Weber-Christian病,Rothmann-Makai症候群(皮下脂肪肉芽腫症)の疾患独立性についてですが,これらは原因不明のlobular panniculitisで,他の特異的疾患が除外された場合にのみ用いられる病名であり,元来heterogeneousな疾患概念です.本症とされたものの多くが実際には結節性紅斑,エリテマトーデス,悪性リンパ腫,cytophagic histiocytic panniculitisなど他の診断が適切な症例であったとする考えが主流となり,次第にこの疾患名が用いられなくなりつつあるのはご指摘のとおりです.しかし,今なおWeber-Christian病として多数の報告がなされており,Rothmann-Makai症候群の名称もときに用いられています.また皮膚病理学の代表的教本であるLever最新版や最新皮膚科学大系にも双方の病名が記載されており,確定診断が困難なlobular panniculitisの暫定的診断名として,これら2つの名称はなおしばらく使用されてよいものとわれわれは考えております.
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