鏡下咡語
白衣の天使が飛べるように—看護教育の高度化に想う
松永 喬
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.136-137
発行日 1992年2月20日
Published Date 1992/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900500
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「看護婦になって25年の歳月が流れた。何時のまにか40歳の坂も越えた。“私,20年も看護婦やるなんて考えられない”という若い看護婦も現実にいる。しかし今日まで私は看護婦を辞めたいと思ったことはないし,むしろ元気に働ける間は死ぬまで看護婦の仕事に燃えて熱中したいと思っている。ところで私が看護婦を続けている理山は何なのだろう?改めて自分にこう問いかけてみると考え込んでしまうのである。もっと楽で収入の多い仕事は他にもあるだろう。看護婦は3K (きつい,汚い,危険)だの,8K (3Kプラス給料が低い,勤務時間が長い,休暇がとれない,結婚できない,化粧ののりが良くないなど)だのと言われてもやはり私は看護婦が好きなのだ,それ以外の道は考えられない」(宮内美沙子著,木もれ日の病棟から,未来社)。
これはあるベテラン看護婦の日記の一節である。この3Kや8Kの背景に横たわっているのは基本的に「看護職員が足りない」という現実である。この酒護職員不足問題解決策のキーワードは看護職員の定数配置基準の見直し,給与の改善,生活条件の改善,労働条件の改善,社会的地位の向上,やりがいのある看護の追求などといわれている。
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