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特集 治りにくい症状への対応
治りにくい唾液分泌異常
Stubborn abnormal salivation
吉原 俊雄
1
,
山村 幸江
1
,
岡 良和
1
Toshio Yoshihara
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.1013-1017
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102020
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Ⅰ.はじめに
日常診療において唾液分泌異常を訴える患者は少なくないが,その原因の究明・治療に際し,しばしばその対応に苦慮する。最も多い症状は口腔乾燥症状で,次いで唾液分泌過剰(流涎症)を訴える例,唾液自体に違和感を感じる例などさまざまである。口腔乾燥症状の内訳は,実際に唾液分泌低下を認める例,乾燥症状はあるが唾液分泌機能は保持されている例,また不定愁訴としての「のどの渇き感」,唾液の粘稠度や成分の変化によるもの,全身的な疾患の一症状としての乾燥感が挙げられる。一方,唾液分泌過多を訴えて受診する場合は,ストレスなど心因的な背景を有する例が多い。
本稿では,唾液分泌異常の実際と診断,治療について耳鼻咽喉科の立場から当科での経験をふまえ解説したい。
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