書評
プロメテウス解剖学アトラス 頭部/神経解剖
上川 秀士
1
1上川クリニック・脳神経外科学
pp.541
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101656
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従来の神経解剖書ではみたことがない,新しい視点から描かれた図
解剖学の中でも神経解剖は難しく,わかりづらいといわれることが多い。その理由のひとつに三次元的な脳神経系を二次元的な書物で説明していることが考えられる。また,解剖のみの記述であれば,臨床医にとっては日常診療と関係づけにくく,その興味も薄れてしまう。もとより海外の教科書には図のきれいなものがたくさんある。しかし,これまでのものは古くからの解剖学のものを踏襲するものが多く,新しさは感じられなかった。また,1つの図で多くのものを説明するため,結局焦点が定まらなくなり,理解しにくくなってしまうことがしばしば見受けられた。多くの解剖学の教科書をみればみるほど,図の美しさ以外には大きな感動はなくなってしまっていたのである。本書はこれらの問題を見事に解決したといえるであろう。
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