特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
救急処置の実際
網膜動脈閉塞症に対する処置
喜多 美穂里
1
1大津赤十字病院眼科
pp.351-352
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907109
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治療開始までの時間が視力予後を決定
網膜動脈閉塞症は眼科における救急疾患の1つで,発症から治療開始までの時間が,視力予後を決定する重要な因子である。
急激な視力低下,後極部網膜白色混濁,黄斑部cherry red spot,網膜動脈狭細化,顆粒状血流などから診断は難しくない(図1)。診断がつき次第,直ちに処置を開始する。外来で診断までに,いたずらに時間を費やすことのないよう,網膜動脈閉塞症を思わせる訴えの患者が来院した場合は,散瞳を待つことなく眼底検査を施行することはもちろん,パラメディカルにも緊急の処置が必要であることを日ごろから教育しておく。
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