増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 各論
Ⅰ 外眼部疾患・前眼部疾患・屈折異常
トピックス
カラーコンタクトレンズ—最近の動向
月山 純子
1
,
植田 喜一
2
1博寿会山本病院眼科
2ウエダ眼科
pp.138-139
発行日 2019年10月30日
Published Date 2019/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213331
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カラーコンタクトレンズの広がり
カラーコンタクトレンズ(以下、カラーCL)と聞くと、酸素の通らない粗悪品というイメージを持つ方も多い。確かに低含水性HEMA(2-hydroxyethyl methacrylate)といわれる約50年前に開発された素材で作られたカラーCLもいまだに多い。雑貨店やインターネット通販で販売されているカラーCLの大部分はこの素材で、トラブルも後を絶たないのであるが、近年では酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材のカラーCLや、含水率の高い素材でできたカラーCLの種類も増え、透明なレンズと同等の安全性といわれるカラーCLも数多く登場してきた。また、まだ種類や度数は多くないものの、乱視用や遠近両用のカラーCLも登場してきている。
筆者ら1)は、乱視用カラーCLについて調べてみたが、厚生労働省承認の乱視用カラーCLは種類が少なく、大半が海外からの個人輸入の未承認のものであった。個人輸入といっても、買う側からすればインターネット通販で普通に購入できてしまうので、個人輸入の未承認レンズであることに気づいていないと思われる。筆者らは個人輸入で、韓国製の乱視用カラーCLを入手したが、驚いたことに乱視用レンズのフィッティング検査に必須であるガイドマークがなかった。2社から取り寄せたが、2社ともそうであった。また、レンズの製造工程でついたと思われる切削痕が観察できるような粗雑なレンズもあった。
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