Book Review
《視能学エキスパート》視能訓練学
大鹿 哲郎
1
1筑波大病院・眼科
pp.1174
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212795
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このたび,《視能学エキスパートシリーズ》として,『視能検査学』『視能訓練学』『光学・眼鏡』の3部作が刊行された。公益社団法人日本視能訓練士協会の監修である。これは大げさではなく,快挙と言ってよい。量的にも質的にも驚くばかりである。日本の視能学,特にその臨床教育が達した高みに,ひとしきり感心した。
3部作のうちの1つである本書が扱うのは,視能訓練士の業務のうち,彼ら/彼女らが最も“腕を振るう”フェーズであろう視能訓練である。視能訓練とは,斜視や弱視の回復を主な目的として,医師の指導のもと専門の視能訓練士が行うリハビリテーション訓練と定義されており,わが国におけるその歴史は未だ半世紀ほどにすぎない。したがってこれまでは,眼科医が眼科学書を微修正する形で編さんしたテキストブックが教育に使用されてきた。実際,国家試験合格が目的であれば,そういった教科書で十分であった。本書はそれらと異なり,視能訓練士が自らの視点から企画したものである。
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