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I.局所ERGということの意味
網膜を広がりのある膜面としてとらえ,その奥ゆき(厚さ)を光覚機序の作業の場とすれば,その面としての機能に興味をもつ者がいて不思議はない。したがつて,形態学者が,その面としてのmacro的な位置づけから出発して,光顕,電顕によつてその局所特異性を比較吟味する一方において,機能学者も当然のことながら,この網膜の横への広がりの意味を追求する。これは,非常に広範な世界であるが,電気生理学的アプローチも有力な手段にちがいない。そして,電気生理学的なこの分野の研究は,あまりコミュニケーションのないまま,それぞれ育つてきたいくつかの分野に分け得る。一つは生理学者によるmicro的な網膜の平面的局所機能追求であり,他の一つはまた別な生理学者や眼科医によつて論ぜられてきたmacro的な局所機能論である。華者は,この二つを,その研究の発想,成果などからして,一応区別して考えた方がよいと思う。そして,筆者にここで書くことを命ぜられた分野は,その後者と思うが,一応,他の一方の分野を垣間みておくことはむだではない。
CURRENT TOPICS AND PROSPECTS OF LOCAL ERG
1) Recent studies on focal ERG are divided into two groups ; micro-focal stimulation of the excised retina and macro-focal stimulation of the in situ retina. Representative studies on both fields are reviewed.
2) In the field of micro-focal stimulation, the "lateral inhibition" of Hartline et al. and the "physiological center" of Norton et al., are in-troduced and discussed.
3) The history and recent development of macro-focal (clinical) ERG is briefly stated.
4) The Relationships among photopic ERG, flicker ERG and local ERG are discussed.
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