特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(33)トルコ鞍内よりとり出した嚢腫と眼症状
梶川 一策
1
,
井街 讓
1
1神戸醫科大學眼科
pp.244-247
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201769
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既に中田教授の指摘された樣に,蜘網膜炎症例は,腦腫瘍症例に對し,我國では歐米腦外科醫の報告に比べて甚だしく高率である。即ち,Fra-zer (1930)が,1209例の開頭中30例,即ち1/40Cushing (1931)は約4000例の開頭例中89例1/43であるに對し,中田教授は100餘例の開頭中,視交叉蜘網膜炎20例,その他のものを含めて25例を報じた。
而して之等は,臨床上診斷は常に必ずしも容易でなくCushingに於ては,頭蓋咽頭腫と診斷した67例中,手術により誤診を證明したもの22例でその中2例が蜘網膜炎であり,トルコ鞍側方硬腦膜腫と診斷した40例中,誤診17例で此例中2例は蜘網膜炎であつたと云う。
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