銀海餘滴
保險問答 療養給付雜考(抄)2
pp.1007
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201677
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昭和6.12.26.保規第32號では「一被保險者が眼疾患の自覺症があつて保險醫を訪ねたら,診療の結果白内障と診斷されたが,手術以外に適法はないが未だ手術の適當時期には早すぎる。視力障碍の症状が出たらやるがよいといわれたから,その後何の治療も受けず就業し相當期間後視力障碍が來たから改めて診療を受けようとしたが,初めの診療日から180日の療養給付期間(昔の事である)を經過した後であつた。この場合同一疾病又は之に因り發した疾病として期間滿了とするは酷であると思うから,初診日から再診日の前日迄の期間は今回の療養につき給付期間と考えないで差支えないか」の問に對して,「初めの診察のみにより保險給付は一旦終了したものと見做して,後の再診からの給付は別に期間を計算するが妥當である」と當然の答をしている。
右の例も白内障の成因,經過について醫學上の立場からのみ論じれば,初診以後引續いて同一疾病は極めて緩かではあるが増悪に向つて嚴として存在していたことには些かの間違もないことであるが適格な治療法とそれを行う適當時期についての醫學上の根據と,その時期まで被保險者としての資格と生活が維持されたことから見て,社會通念上この判定がなされたことは極めて當然である。
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