臨床實驗
本邦人高年者網膜血管に關する研究(第6報)—本邦人高年者網膜血管硬化と腦血管硬化との關係に就いて
樋渡 正五
1
1東京大學醫學部眼科學教室
pp.391-399
発行日 1953年8月15日
Published Date 1953/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201561
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
網膜血管が腦血管と同一幹枝から出發する以上之が血壓を測定し又網膜血管硬化の状態から腦血管硬化の程度を推定せんとする試みは屡々行われ,その結果血壓亢進や高血壓及び腦血管の變状が網膜血管硬化やその血壓より推定し得るが如き方向に進みつつある。血壓の上昇と血管の硬化は必らずしも一致せず内科的に何等訴うる所はなくとも眼底検査によつて網膜血管硬化を見出し,更に腦疾患遺傳病其他を發見し得る事があるから,網膜血管の各種所見や網膜中心動脈血壓を精密に知る事は腦疾患に際しては缺く可らざるものと言えよう。
私は之迄網膜血管硬化に就いて臨床的に觀察しその硬化像と中心動脈血壓等の統計を試みたが,更にその中死去した者は剖検に附し實際に腦血管其の他をも検索することを得たので之を生前臨床的に知り得た所見と對照考察してみたい。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.