連載 もっと医療コミュニケーション・23
患者がホッとする医師の小さなスマイル―口角挙筋の使い道
佐藤 綾子
1,2
,
綾木 雅彦
3
1日本大学藝術学部
2国際パフォーマンス研究所
3昭和大学藤が丘病院眼科
pp.1766-1769
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103016
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「○○さん」と名前を呼ばれて患者が診察室に入ると,たいがいの場合,医師は机に正対して椅子に座っています。そして,カルテに目を落として内容を確認しながら患者のほうへ少しずつ斜めに体を開いて,さらに視線は継続してカルテの上,というちょうど腰をねじったような背すじの状態になります。
そのとき,患者はどこを見ているでしょうか。医師と一緒にカルテの紙面を読んでいるのでしょうか。いえ,そうではありません。専門用語が入り混じったカルテを見ても,素人には何のことかさっぱりわかりませんし,患者の位置からは文字まではあまり見えません。そこでほとんどの人はこれをあきらめます。患者の目に入るのは,患者のほうに斜めに体を開いた状態の医師の横顔ということになります。
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